連載第5回目です。
見聞録ですかぁ。まだ見ぬ世界には何があるのでしょうか? 興味深いですなぁ ちなみに、 前回までの内容はこちらでございます。 第1回 オープニング対談~そしてまた大航海篇~ 第2回 ~画期的な航海術篇~ 第3回 ~大航海時代と噂話篇~ 第4回 ~航海見聞録公開合戦篇~ |
ピョンちゃん | じゃー、次はゴメちゃんの番。 |
ゴメちゃん | わしは、やらんて。 |
ピョンちゃん | ひょっとして、ゴメちゃんって航海に行ったとかって言って、実は行かずにアフォンソさんをだましてたタイプ? |
ゴメちゃん | ア、アホ言え。 |
ピョンちゃん | じゃー、見聞録のひとつやふたつあるでしょ? |
ゴメちゃん | ない。 |
ピョンちゃん | やっぱりね。ふーん、意外とワルだね。 |
ゴメちゃん | なんや。航海はちゃんと行っとるやん。 |
ピョンちゃん | じゃー、見聞録ぐらいあるでしょ。何? どんな見聞録? |
ゴメちゃん見聞録 その1 |
ピョンちゃん | 早い話が、浅瀬なんでしょ? |
ゴメちゃん | アホ、墓場やで墓場。幽霊船かて出るんやで。 |
ピョンちゃん | サルガッソーって海草だらけって話を聞いたけどなぁ。たぶん海草の絨毯が巻き付いて、船が動かなくなるんでしょ。そりゃーねぇ、船の墓場にもなるよ。 |
ゴメちゃん | アホいえ、あそこは恐ろしゅうて、恐ろしゅうて。 |
ピョンちゃん | そーやって恐がってるから、幽霊船なんて見ちゃうんだよ。サルガッソーで前に進めなかったと言えば戻ってこれると思って、あんた、やっぱり嘘ついて航海をさぼってるね。 |
ゴメちゃん | 嘘なんかつかんわい。 |
ピョンちゃん | だめ、信じないね。 |
ゴメちゃん | 勝手にせぇ。 |
ピョンちゃん | そうそう、うちのばあさん(祖母)がさ、いつだったか山菜を取りに行ったときにね、ライオンに出くわしてなんか腰抜かしそうになって逃げてきたことがあったんだって。 |
ゴメちゃん | ばあさんって、どこに住んでんねん? |
ピョンちゃん | 日本。 |
ゴメちゃん | 日本にライオンはおらんだろ? |
ピョンちゃん | そーだろ。だからさ、面白いんだよ。でね、ばあさんはどーしたかっていうと、恐かったけどもう一回確かめに見に行ったって言うんだよ。 |
ゴメちゃん | あんさんとこ、親戚中がそんなん? |
ピョンちゃん | ほっとけ。でね、見に行ったらまだいて、木の芽を食べてたっていうじゃんか。 |
ゴメちゃん | ライオンが、木の芽を食うか? |
ピョンちゃん | ばあさんの言うことだから、しょうがないだろ。おまけにそのライオンに角が生えてたって言うんだぜ(実話)。 |
ゴメちゃん | むちゃくちゃやなぁ。 |
ピョンちゃん | これな、今の時代だから、ライオンなんか日本にいないって言えるんだよ。ばあちゃんは東北に住んでいるんで、本当はカモシカかなんかを見たんだと思うよ。 |
ゴメちゃん | それも恐いやん。よー、戻って確認するなぁ。 |
ピョンちゃん | 大航海時代の頃だったら、すわっ、ばあさんが『木の芽食い角ライオン』に遭遇、とかって噂になると思わない? |
ゴメちゃん | まぁ、そんなところやろな。 |
ピョンちゃん | な、サルガッソーもそんなもんでしょ。 |
ゴメちゃん | いやいや、本当にあるって。 |
ピョンちゃん | いや、信じない。 |