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 さて、ここで「はなまる工務店」の経営について説明しよう。「はなまる工務店」がより大きな仕事を引き受けるには、その仕事に見合った規模の会社に成長しなくてはならない。会社が成長するためには、儲けを出さなくてはいけない。では、儲けとはなんだろう?
 日本一の現場監督を目指しているキミならわかるよね。建て主から支払われる建設費から、職人さんたちに支払う費用を差し引いたものが、「はなまる工務店」の儲けなのだ。「はなまる工務店」では、きちんと儲けて資金を貯めておかないと、大きなビルは建てられないという仕組みになっている。ちょっと難しくなるけど、じっくり読んでね。

 ビルを建てる、つまり、キミが仕事を始めるために、まずは建て主と契約する。仕事の条件は、あるビルを、いつまでに、これだけの建設費で建てて欲しい、というものだ。キミがこの条件を承諾すると契約が成立する。このとき、契約金額の半分が前金として支払われる。残り半分は、建物が完成して引き渡すときまで貰えない。



前金は契約時にもらえる。

「え、前金で半分も貰えるの?ラッキー!」なんて浮かれてはダメ。この前金で、協力企業と契約し、職人さん達に給料を支払っていくのだ。契約金額は、完成期限までの費用として設定されている。だから前金だけでは、全体の建設期間の半分までしか職人さんを雇えないのだ。残りの建設期間は、自社の資金から職人さんに立替払いをしなくちゃいけない。つまり、契約するときは、おおよそ契約金額の半分の自己資金が必要だ。自社の資金が多いほど、大きな建物を契約できるというわけだね。ビルを建てながらしっかり儲けよう。
 では、儲けるためにはどうすればいいのだろうか。

 方法その1。給料の安い職人さんと契約する。人件費を下げれば、それだけ儲けが大きくなる。だけど、給料の安い職人さんは仕事の質も悪いので、完成期限に間に合わないかもしれない。建設期間が長ければ、それだけ職人さんへの支払も増えるし、建て主は契約違反だと言って、全額を支払っては貰えないかもしれない。


人件費が安い、「中矢外装」

 方法その2。それでは、質の高い職人さんを使って、完成期限よりも早く引き渡してしまう。建設期間が短ければ、やはり人件費は少なくできる。建て主は喜んで、契約金額を全部支払ってくれるだろう。しかし、建設期間を読み違えると、人件費は膨大に膨れ上がってしまい、赤字になってしまうかもしれない。


人件費が高い、「夜桜組」

 儲けるためには、建て主が満足するビルをいかに早く安く建てるか、が大切なのだ。



依頼の一覧


依頼の詳細

 
最初はなるべく、建設期間が長くて、契約金額が高い建物を引き受けるようにしよう。



秘書
お金の出入は、
前金―(マイナス)職人へ日給―材料費+(プラス)自社資金―職人へ日給―材料費+後金

自社資金を増やすには、
契約金額―(材料費+職人さんへの支払)=会社の儲け=自社資金の増加 

前金相当額と同じだけの自社資金があると安心。




 日本一の現場監督とは、立派なビルを建てるだけではダメなんだ。ちゃんと会社を儲けさせなくちゃね。そのためには、もうひとつ大切なことがある。それは、「建てやすいビルを設計する」ことだ。次回は、ビル設計の基本と、職人さん達が動きやすい建物について「導線」という考え方を紹介するよ。お楽しみに!

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